いつもの朝、ろう学校に登園する為の準備に我が家は大騒ぎ。
先に、難聴キッズの着替えや準備を済まして、自分の支度を済まし、いざ学校へ…車に乗り込もうと玄関を出ると、
誰もいない…
そう、難聴キッズがいない…
あわてて、近所を大声で探して回る。
その辺にいるだろう… と、たかをくくって近所の人に声をかけながら捜した。
20分も捜しているうちに、だんだん「今日はいつもと違う…」と思い始め、仕事に出かける主人を止めて一緒に捜すも見つからない。
ろう学校に連絡すると、
「すぐ出ます」
と、応援に来てくれるようで、とにかく近所を捜した。
難聴キッズの自転車が無いことから、自転車で出て行ったことは明白だが、
私も主人も町内を何週も回った…
ろう学校の先生や、近所の方、いつも利用しているスーパーの従業員さん、近くの友人まで巻き込んでの大捜索にもかかわらず、見つからない…
と、一本の電話が…教頭先生から、難聴キッズ発見の電話だ。
家から2kmほど離れたコンビニの駐車場で「一息」ついていたらしい…
見つかったのが11時ぐらいだったから、2時間ほどの大捜索だったにもかかわらず、難聴キッズにとってはどこ吹く風…
これから学校に行きますか?と教頭先生の問いかけに、我が家の難聴キッズは拾ってもらった教頭先生の車を指差し、「この車でビューン」と即答。
その日の学校では、難聴キッズの教室に先生が入ってきては、黒板に「X(バッテン)」を書いていき、「バッテン」がいっぱいになった様子。さすがに反省したようで「今日の自分はバッテン」と私に報告してくれた。
ろう学校に行き始めたころは、自転車にも乗れず、親から離れて遠くへ行くことなど、とても考えられなかった。だって、親を目で確認出来ない場所にいることを異常に嫌がっていましたから…
それが、あんな遠いところまで一人で行くようになるなんて、嬉しいやら恐ろしいやらで大変複雑な気持ちになった。
ろう学校に通い始めて早一年。本当にいろんなことができるようになった。語彙も増え、席に着いての学習、手話、キュードサイン、ブランコにも乗り(立ちこぎまで!)、ラジオ体操、文化祭でのお芝居、小学部のお兄さんお姉さんとの合奏、自転車まで…
いろんなことができる事によって、それを伝えるための手段がどんどん上達してきた。ろう学校に通う前に想像していた以上に、いろんなことを私たちに伝えられるようになった。
本当にろう学校の先生方には、感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
難聴キッズが行方不明になったことで、一番心配したことが、
「事故」
後ろからの車のクラクションが聞こえなかったらどうしよう… どこかで転んで助けを呼べなかったりしてはいないだろうか… などといった不安が頭をよぎり、そうなっていないことを祈りながら必死で捜した。
捜している途中、GPS携帯の購入を心に決めたり、迷子用の名札は持っているだろうか…など、いろんな気持ちが交錯して、見つかって学校に行った後はどっと疲れが襲ってきました。
なにはともあれ、見つかってよかった…
発見してくれた教頭先生をはじめ、ろう学校の先生方やご近所の方々にはご迷惑&心配をおかけして本当に申し訳ございませんでした。そして、ありがとうございました。